新年会
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前の会社で友達が作れなかったのは、決して私の性格的な問題があったからではない。
あの会社は、というよりもあの業界は通常よりも積極的に友達作りをしなければ、社内で友達なんてものは作れない環境だった。
きっと今もあの会社には、あの時の私のように友達を作れずに悩んでいる人はいる。
そして私はあの時のことをあえて反省するのであれば、もっと友達を作っておけばよかったとも思う。
意外と仕事をする中で、友達の存在は重要だ。
年末に友達と連絡を取り合い、「年が明けたら新年会をしよう」ということになっていた。
誰もお酒を飲まないということだったので、一月の第一月曜日に開催が決まった。
日中は各々仕事をし、夜に合流して食事をする予定だった。
その日も私は朝食を済ませてから仕事を始める。
一日中、家の中で、一人でこなす仕事。
まずはパソコンを開き、仕事の連絡をチェックする。
必要であればクライアントに新年の挨拶メールを送る。
今日こなすべき仕事をメモし、一日のスケジュールを考えた。
夜に新年会があるのだから、今日は早めに仕事を切り上げて出かけなければならないことを念頭に入れながら。
そしてリスト化した仕事に一つ一つ取り組んでいく。
正月休みで鈍っているかと思いきや、意外とすんなりと仕事は勧められた。
昼休みが過ぎ、午後の仕事も着々とこなしていく。
仕事の間は誰とも口をきくことはない。
ただ黙々と作業をするのみ。
夕方五時きっかりにこの日の全ての仕事を終わらせた。
私は身支度をして、新年会に向かう。
アイシャドウには今年初めて使う色を選んだ。
ラメの入ったブルー系のアイシャドウ。
「ちょっと時代遅れかな?バブリーな感じにならないかな?」
今日は新年会だ。
バブリーになればなったで問題ない。
待ち合わせをすることなく、直接店に行くことになっていた。
店には私が一番乗りをした。
少し待っていると友人たちがやってくる。
「あけましておめでとう!」
「今年もよろしく」
口々に挨拶を交わし、席に着く。
まずはノンアルコールカクテルを注文し乾杯。
その後は肉料理やサラダなどが運ばれてくる。
「今年はどんな年にしたい?」
「今年は大きく伸びるよー!」
「私も今年は今までの努力がどーんと花開く予感がする!」
互いに気を使うことなく自分の夢や目標を語り合う。
温かい肉料理。
さっぱりとした味付けのサラダ。
口直しに飲むドリンク。
本当に今年はいいことがたくさんありそうな予感がした。
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